楽患ねっとが考える患者本位の医療とは
難しいテーマですが、医療の本質の部分として楽患ねっとは向き合ってきました。
私たちの考えをお伝えします。
“患者本位の医療”とは“患者が納得する医療”と考えています。そして“患者が納得する医療”は“自分らしい意思決定ができる”ことと“満足できる選択肢がある”から成立します。
さらに“自分らしい意思決定ができる”には
- 1“必要な情報がある”
- 2“自身の状況を整理できる”
- 3“医療者と適切なコミュニケーションができる”
必要があります。
“満足できる選択肢がある”ためには
- 4“患者本位のサービスが提供される”
- 5“最新・最良の医療が提供される”
必要があります。以上のように楽患ねっとは考えています
患者本位モデル(PDF:62.8KB)
次にそれぞれを具体的に見ていきます。
“必要な情報がある”は最近のインターネット、書籍、TVなどを通じて比較的誰にでも簡単に最新の情報を手に入れることが出来ます。病院内に患者図書室を設置するケースも増えてきています。ご存知の通り、楽患ねっとでは疾病別に患者会の情報を提供しています。
“自身のおかれた状況を整理できる” “家族・医療者と適切なコミュニケーションができる”は患者、家族(身近な人)、医療者すべてに力が必要です。まず患者は自身のおかれた状況を理解し受け止めなければなりません。事態が深刻であればある程、家族、医療者との信頼関係が必要です。 この上で医療者は取りうる選択肢を患者に伝え、患者は自身と家族との人生を鑑みつつ希望を伝えます。そのような対話が必要です。
しかし、患者さん本人は、 突然のことにパニック状態になっている可能性が高く、このような時は、冷静に現状を分析し、整理してくれる誰か、親族や友人、そしてまったく別の第3者の存在は重要です。医療者とのコミュニケーションにおいても同様です。なお、医療コーディネーターは特にここを支援するサービスです。
“患者本位のサービスが提供される”については最近目立って良くなっていると感じます。第3者機関による病院の機能評価にも患者サービスは重要な項目として位置付けられていますし、機能評価を受ける病院も年々増えています。ただハードとソフト、両方が充実しているケースはまだまだ少ないように思えます。
医療はサービス業であると考えると、大切なのは物や技術よりもむしろ人の心です。ここに働きかけるのは利用者の声です。どんなに医療者が医療や病院のありかたを考えても、利用者の声のないところではどうしても自己の都合にとらわれてしまいます。利用者の声=患者視点を知ること こそ、真に医療改革を考えるときに必要とされるものだと考えます。なお、アメリカのNPOプレインツリー(Planetree)はこの点において先進的です。
最後に“最先端の医療が提供される”については昔も今も最高水準にあるのは周知の事実だと思います。
この5つの要素が全て満たされているとき、患者は納得し、“患者本位の医療”が提供できていると言えるのではないでしょうか。
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